秋桜が散る前に
そうして、今、俺は咲夢さんと子供の世話をしている。
実を言うと、俺は千歳さんに呼び出されてここに来た。
でも、何だか分からないうちに置いてきぼりにされて、成り行きで子供の面倒を見ていたら咲夢さんが現れた。
子供は苦手じゃないけど、世話なんかしたことなくて、困っていた所だったから、助かった。
「はー…やぁっとみんな寝た…」
そう言って、咲夢さんはこてんと子供の横に寝転がる。
いつの間にかスカートは学校のジャージに変えられていた。
まぁその方がいいんだけど。
「3人ともよく咲夢さんに懐いてんな…サク姉サク姉って。」
「まぁね…私、孤児院にいる子供のなかで、1番年上だし。」
「他には?何歳の人がいるんだ?」
「あーっと、そうだ。これこれ。」
咲夢さんは保育室(?)にあるオムツを入れてある衣装ケースの上に置いてあった写真をとって俺に見せた。
千歳さん…咲夢さん…奏太…多分、孤児院にいるみんなの集合写真。
七瀬と呼ばれている赤ん坊は写っていないけど。