秋桜が散る前に
「右から順番に、13歳の和斗(カズト)15歳の真理(マリ)11歳の優奈(ユウナ)8歳の遥(ハルカ)あ、一応男の子ね。10歳の沙姫(サキ)7歳のアンジェラ…それから、私と一馬と早和と、奏太くん。」
写真に写っている子供たちは皆笑顔で、咲き誇るコスモスの中、幸せそうだった。
本物の家族みたいだった。
「これ…奏太が一時退院したときの?」
「うん…奏太くんが急に取りたいって…」
ニット帽に車椅子。
そんな姿でも奏太は奏太であり続けた。
最後まで諦めなかった。
死ぬ瞬間まで、1秒を生きる希望を捨てなかった。
すぴー…すぴー…
ん…?すぴ?
「咲夢さんっ…?」
咲夢さんは急に眠り出した。
しかも起きそうにない。
む、無防備な…