秋桜が散る前に
第2章もう1度
恋をしよう
季節は、変わろうとしていた。
私と秋くんは、ときどき教会で会って、話をしたりしている。
ただ、それだけの関係。
だけど、その関係が、急速に壊れ始めようとしていた。
「秋…!?に、サクラ…ちゃん?」
「空…なんでここに。」
バイトに行こうとした私を送るために、秋くんと一緒に教会を出たとき、突然横から声を掛けられた。
愛染高校の人…なら、あの合コンの時の…たしか、もう1人の穂高くん。
童顔の空くんだ。
「なんでって…俺こそお前に聞きてぇよ。」
「べつに、なんでも…」
「…ねぇってわけねぇだろ!ちくしょー、やっぱキミら付き合ってたんじゃん!」
「おい空、人の話を…」
「誤魔化しなんか聞かないもんね!くっそー、いつの間にそんな事になったんだよお前!」
「だから人の話を聞けっつってんだろバカ!」
1人騒いでいく空くんに秋くんがそう怒鳴りつけたら、なんと空くんはちゃんと黙って秋くんの話を聞きだした。
まるで親と子供だ。
私はちょっと微笑ましく思えたけれど、同時に、私たちのこの関係は周囲に誤解を与えるらしいことを知ってしまった。