愛 理~airi~
この天使のような笑顔を見れば、湧き上がる不思議な生命力をもたらすから。
ああ何よりもまず、自分の命が続いている事に感謝の気持ちで一杯だ…。
「大和くん、たくさん寝てね?
亜実はね、ひこーきでたっくさん眠ってきたの」
「うん…ありがとう、亜実ちゃん。
すぐに元気になるから…、少しだけ待っててくれる?」
「うん。だから、げんきになってね?」
これほど元気な声を上げたのは、きっとこの場の空気を明るくしたいからだろう。
賢いからこその気遣いをみせる亜実ちゃんを、楽にしてやるのは俺の務めなのに。
今日はその優しさが沁みて、どうしようもなく愛しいと思うばかりだ…。
「――真咲は、コッチに来てくれないの?」
「っ…、だって…ぶ、さいく」
亜実ちゃんがソファに座ると、所在無げにチラチラ窺っていた彼女に声をかけた。
「そんな訳ないよ。真咲は誰よりもき…」
「い、行くから。もう言わないで!」
“綺麗”とは言わせては貰えず、ベッド脇の1人掛けの椅子に腰を下ろす彼女。