愛 理~airi~


その日野はGELの日本支社から、本社の営業グループへの配属が正式決定して。



準備に相当バタバタしていたけど、ようやく全部の事を終えて単身旅立つのだ…。




「…寂しい?」


あまりに感慨深げな表情をするから、ここでもヤキモチ混じりの本音が表れれば。



「うん、…って言ったら?」


ソレを読まれていたのか、ニコッと嬉しそうに笑って切り返してくれた奥さん。



「――どのみちキスするだけ」


「っ…ん…ッ」


食いしん坊な亜実ちゃんは、ご飯を目の前にすると意識がすべてソッチへ向かうから。



ここぞとばかりに、可愛い奥さんの甘い唇を堪能するのが楽しみでもあるけど…。



「…もう!」


「ハハ、そう言って嬉しいクセに」


「・・・」


頬を膨らませて睨みつつも、結局は何も言い返さないトコロが本音らしい。



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