愛 理~airi~
分かるごとに面白みを増すのが、真咲の良い所だと惚気たくもなる…。
「でも…、幸せだろうな」
「そうだね」
「私たちみたいにね」
そう。日野が本社の営業部へ転属となったのは、自ら志願しての事だった。
「結婚式には出られないけど…、2人とも凄く幸せだと思う」
驚くべきことに、向こうに永住する覚悟を決めて発っているのだから…。
あの事件によって、GELが心無いバッシングや中傷を受けたのは事実だが。
彼女が精神的な病に侵されていると発表した事で、事態は収束したのだ。
俺もまたアメリカの病院を退院後、暫くして退職覚悟で日本支社へ戻ったが。
メアリーと俺をよく知る仲間の優しさが、その場に留めさせて貰えたのだ。
幸いなことに俺の名前もマスコミに出る事なく、真咲たちも守って貰えた。
知らないトコロで周りが動いてくれて、守って貰える事の有り難さ。
今日もまた同じ場所で笑っていられることが、どれほど素晴らしいか。
すべてにおいて頂いた優しさと恩は、この先も絶対に忘れないだろう――