愛 理~airi~


いや、しかし…亜実ちゃんが宇津木くんの告白代行とは・・・




「あんた、バッカじゃない…!」


「ええ、と・・・」


「なに亜実ちゃんに告白してんの!

私にして来いっていうのよ。このヘタレ男…!」


暫くして静まっていた部屋中に響いたのは、女王様の貫録たっぷりな小林さんの声。



「す、すみません…!」


「はぁ?すみませんじゃないわよ…!

アンタの鬼上司とは違うってのよ、私は!」


謝罪を入れた宇津木くんの態度が、まさに火に油を注いでしまったかのように。



「ご、ごめ…」


「だから、謝るんじゃないわよ!

私はアンタの気持ちを聞いてんのよ!」


人の家である事もお構いなしで怒声を響かせるから、彼女の本性を知った気分だ。



「…す、き…で」


「はぁ?聞こえない!」


これだと“告白脅迫罪”の疑いをかけられても、オカシクないだろうが…。



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