愛 理~airi~
いつでも自分の意思は曲げずに、特別な時以外は心を隠れさせてしまうから。
不安がらないように、そして不安なんて感じさせる暇ゼロで攻めてしまう…。
「ム、ムリ…!」
「ダメ、じゃなきゃ離さない。
どうする?あと5分で起きなきゃ、皆で遅刻かも…」
賢い奥さん相手だが、こういう時にセールストークは役立つものだと知ったし。
「ひ、卑怯…!」
「んー、否定しない。
何なら、目覚めのキスもオプション追加してくれる?」
「もう…!」
さすがの同業者らしく退かない彼女でも、甘ったるい雰囲気には弱いと分かったこの頃。
「大和ー、いい加減に…」
「あ、あと3分!」
「ちょっと、聞いてよ…!」
胸の中でバタバタ暴れて脱出を試みるが、所詮は女性のか弱さを知らせるだけ。
可愛いとか綺麗なんて表現じゃない…、絶対に離したくは無い温もりもそう。