愛 理~airi~


いつでも自分の意思は曲げずに、特別な時以外は心を隠れさせてしまうから。



不安がらないように、そして不安なんて感じさせる暇ゼロで攻めてしまう…。



「ム、ムリ…!」


「ダメ、じゃなきゃ離さない。

どうする?あと5分で起きなきゃ、皆で遅刻かも…」


賢い奥さん相手だが、こういう時にセールストークは役立つものだと知ったし。



「ひ、卑怯…!」


「んー、否定しない。

何なら、目覚めのキスもオプション追加してくれる?」


「もう…!」


さすがの同業者らしく退かない彼女でも、甘ったるい雰囲気には弱いと分かったこの頃。



「大和ー、いい加減に…」


「あ、あと3分!」


「ちょっと、聞いてよ…!」


胸の中でバタバタ暴れて脱出を試みるが、所詮は女性のか弱さを知らせるだけ。



可愛いとか綺麗なんて表現じゃない…、絶対に離したくは無い温もりもそう。



< 20 / 122 >

この作品をシェア

pagetop