愛 理~airi~
笑顔で迎えてくれる子の笑顔だけは、何があっても守り抜きたいと誓わせてくれる…。
「川崎さん、こんばんは。
ついでに、お邪魔してます」
「あ、小林さんいらっしゃい。
悪かったね、急に…」
抱きついて来た亜実ちゃんの代わりに、ドアノブを支えてくれていた小林さん。
「全然!今日はヒマだったし、気にしないで下さい。
失礼ですけど…、そちらが?」
俺たちが入室したあとで、バタンとドアとロックの両方を閉めてくれると。
「そうそう、同僚の…」
亜実ちゃんにすっかり夢中だった俺は、連れて来たヤツの存在を忘れており。
苦笑しながら日野の方へ向き直って、取り敢えずの紹介をしようとすれば…。
「は、初めまして…!日野 敏哉(ヒノトシヤ)です!
小林さん、宜しくお願いします!」
そんな俺を暑苦しく遮って、自ら名乗った日野の様子に呆れてしまう。
せっかく日も沈んで暑さが和らいで来ているのに、なぜまた温度を上げる…?
小林さんは確かに美人…、オマケにコイツの好み、ドンピシャだったようだ――