愛 理~airi~
#十 休 息
相手の気持ちを汲み取る事は、何よりも難しいのだと実感した真咲との出会い。
そんな彼女を大切にするほど、ふつふつ湧き上がる感情もあると知ったこの頃だ…。
「真咲ちゃん、かわいいね」
「ホント?ありがと亜実ぃ!
でも真咲ちゃんより、亜実の方がずーっと可愛いの」
目に入れても痛くないほど可愛い妹の言葉に、ソレはもう極上の笑顔を浮かべた。
その眼差しは俺に向けるモノとはまた違って、何よりも大切だと伝わってくる。
「えへへー」
「ふふっ」
そんな2人は顔を見合わせてから、ギューッと熱いハグを交わすくらい仲良し姉妹で。
リビングを鮮やかに彩る声を聞く事が、何よりの癒やしになっていると思うほどだ。
以前の俺のウエイトは仕事に大きく傾いていたし、ソレが何年も当たり前で。
身体を休める為だけの味気ない空間だった日々が、ヤケに懐かしく感じるな…?