愛 理~airi~
そう。人の恋路を気にする暇が無いほど、コッチは絶賛カワイイ姉妹に夢中だ――
そうして顔を緩ませていたのは、小林さんの同伴者の存在を知るまでのこと。
「・・・え、何で?」
小林さんばかりにスポットライトを当てていたせいか、俺たちは目を丸くした。
「あー、シュンお兄ちゃん!」
「うん、亜実ちゃん久しぶりだね」
「亜実ねぇイルカさん見にきたの!シュンお兄ちゃんは?」
真咲から放れた亜実ちゃんが嬉しそうに駆け寄り、その相手の男と話しこんでいる。
今度は違う理由で、再び顔を見合わせた俺たちの考えは、たったひとつだ。
どうして小林さんと真咲の部下である宇津木くんが一緒にいるのか…?
「ちょっと、お二人さん?余計に暑いんですけど」
そんな俺たちを呆れた声色で、窘めるようにして割り入って来た小林さん。
「は、はぁ?違うわよ!そ、それよりちょっと…!」
「何よ、もう…」
真咲はブンブン頭を振って否定すると、彼女の腕を取って少し離れたトコへ行く。