愛 理~airi~
#十三 道 筋
気にせずマイペースで、自分たちのペースを貫けばいい――
思いとは存外に、行動が伴わなかったりするものだ・・・
「眠いだろ?先に寝ていいから…」
「・・・えっ?」
帰宅が遅くなった俺の食事を用意すると、向かいの席でボーッとしている真咲。
何度も欠伸を堪えたり、瞼が重そうに閉じかけるほど疲れているようだ。
そんな姿を見せるのは珍しい分、疲れを滲ませる姿に心配が増してしまう。
「明日も仕事だし、早く寝た方が良いよ」
「うん…、そうしようかな…。
食器はそのままで良いからね?…おやすみなさい」
「大丈夫、おやすみ」
ニコリと笑って聞き入れた真咲の顔色は優れず、やはり体調が悪いのだろう。
食べて帰れば良かったのだろうが、出来うる限りは家で食事を取りたい――
その思いから、出張や接待などで無理な時以外は帰宅を心がけていたのだ。