愛 理~airi~
そうして食事を済ませて食器を片付けたあと、晩酌もせず風呂へ入った俺は。
まず亜実ちゃんの部屋を覗くと、幸せそうに眠るカワイイ寝顔に安堵して。
次に自分も眠る寝室へ行けば、優しいベッドランプを点けた中で眠る真咲を見る。
起こさないようにと気をつけながら、俺もそのベッドへと静かに身を沈ませた。
「・・・スー…」
割と音には敏感な彼女だが、今日はスプリング音にも全く目を覚まさない。
長い睫毛を伏せたまま、規則正しい寝息を立てる華奢な身体を引き寄せると。
ふわりと、真咲がお気に入りだというフローラル系の香水が鼻腔を擽った。
「…おやすみ」
頭のてっぺんにキスを落とせば、いつもはソレ以上を駆り立てられるが。
さすがの俺も今日の彼女の疲れた様子から、その気はサラサラ起きず。
温もりに導かれるように、すぐに目を閉じて睡眠を取る事にした…。