愛 理~airi~


日付が変わっての就寝だと、翌日がやって来るのはとてつもなく早い。



あらかじめセットした、携帯アラームの音が朝の訪れを教えてくれる。



昔から目覚めの良かった俺は、バチッとすぐに目を開いて覚醒したが。



ゆうべ引き寄せて眠った筈の奥さんは、その前に腕の中からすり抜けたらしい…。




「おはよ」


「あ、おはよー!

食器片付けてくれたんだね。ありがと」


「働かざる者食うべからず」


「ふふっ、ありがと」


苦笑しながらベッドを出てリビングへ向かえば、キッチンに立っていた彼女。



清々しい笑顔を向けてくれるから、思わずその身体をグッと引き寄せてしまう。



「顔色、良くないけど大丈夫?」


「ええ?もう復活したよ?」


甘く花の香り立つ耳元へ囁きかければ、ビクリとしながらも笑った奥さん。



「どうだろう」


「私は丈夫が取り柄なの…ん、ちょ…っ」


コチラとしては頑張りすぎだ、と言いたいくらいに仕事も家庭も全力主義で。



そんな彼女を牽制するように、甘く香り立つ首筋へチュッとキスを落とした。



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