愛 理~airi~
まぁ…案の定、首筋だけに留められずに唇にもキスを落とす事になったけど――…
「いただきまーす!」
「頂きます」
出来たての朝食を前にした俺と亜実ちゃんが、手を合わせてから食べ始めた。
「真咲ちゃん、オムレツおいしい!」
「ホント?ありがとー」
美味しい朝食に舌鼓を打つ、亜実ちゃんの呼び掛けには笑顔を返すけど。
まだキッチンでお弁当を作っているとはいえ、何も手をつけようとしない。
「…食べないの?」
「あー…えと、さっき作りながら食べちゃった…!」
オマケにウソとバレバレの笑顔を浮かべ、青白い顔色をして誤魔化すから。
そのムリをしている様子に、とうとう席を立ってキッチンへと向かった俺。
「ど…、どうしたの?」
可愛く仕上がったお弁当を包み終えた手を、そっと掴んで制してしまう。