愛 理~airi~


もうすぐ第3四半期が終わる時期でもあり、ラストの追い込みが上からかかる現在。



オマケに今日は月初ともあり、“余裕のある時に”と会議のオンパレードなのだ…。



「川崎くん、そう言う事で頼んだぞ」


「はい…、了解しました」


まずは部内ミーティングを手短に終えた時、部長に残るよう命ぜられた瞬間に。



何となくイヤな予感が走ったが、まさかピタリと予想的中するなんてな・・・




「フゥ・・・」


「オマエ、また出張?」


オフィスに戻ってお手製弁当を完食後、美味くも無いコーヒーに口をつけていると。



治まらない溜め息を聞きつけた日野に、どうしたものかね…と自分を呆れてしまう。



「いや…親睦も兼ねた、本社と合同の研修会らしいけど」


こういう時に限って、なぜ明後日からアメリカへ発たなきゃならないのか…――



「いいなー、金髪美女わんさかジャン!」


「それなら代わりに行ってくれ」


GELの日本支社にしても多国籍だけど、営業部には取り分けて日本人の比率が高い。



根っからの女好きと豪語する日野にとっては、ソレが部内の残念ポイントらしいが。



本社での研修会は有意義なモノだし嫌では無いけど、“今は”行きたくないのだ。



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