愛 理~airi~


みるみるうちに亜実ちゃんの表情は、さっきと同じ向日葵のような笑顔が戻って。


「よ、し…」


今度は零さないように気をつけながら、再び生地と真剣に奮闘していた…。




「…ごめんね?今すぐ片付けるから」


その間に俺の方へと近づいて来た真咲は、聞こえないようコッソリ耳打ちをしたが。



「いいよ、そんなのあとで」


「ちょ、…っ」


こちらを見上げる彼女と目が合った瞬間、俺はそっと唇を押し当ててしまう。



「大和…!」


すると慌てながら口を押さえて、キョロキョロと亜実ちゃんの方を窺っているけど。



「ハハッ、ついつい」


「…もぉ!」


誠意の籠っていない謝罪に口を尖らせる姿が、余計に欲情させるだけだ――



亜実ちゃんの方は型へ流す事に夢中で、まったくこちらを見てもいないしな…?



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