愛 理~airi~
鏡の前に立つ度、本当の笑顔って何?――と、問い掛けながらも奮い立たせて。
ソレが当たり前の毎日へ飛び込んで来たのは、突然すぎる大和との出会い…。
“す、すみません…!”
“いえ、大丈夫でした?”
どんな時も曇がちだった毎日の様相に、あたたかい日差しが舞い込むようで。
彼の笑顔を目の当たりにしたり、ふと思い出すだけで、心が躍る自分が居た。
本当の父親の一件を知っても、大和は一歩離れたところから見守ってくれて。
その優しさのお陰で私は、いつしか自分で覆っていた殻を破ることが出来た。
“真咲…、結婚して下さい”
貴方に出会えたことが奇跡なのに、神様はさらに贅沢なプレゼントを齎してくれて。
いつでも大和の温もりを感じて、貴方の優しさに包まれる人生に変えてくれたね…。
毎日が笑いに包まれる事が、どれほど心を穏やかにしてくれるのか教えてくれたの。
守られて生きるコトの安心感…、同時に守りたいモノがあるという強さを得ると。
人はさらに強くたくましく、そして他人に対しても優しくなれると知ったから。
こんなにも幸せの意味を知れる事が、人生に色づけてくれるとは思わなかった…。