愛 理~airi~
顔立ちや楽天的でマイペースな性格は、母そのものというくらい似ているけど。
いざという時の彼女の強さと優しさは、父親のアノ人の血を継いでいるのかな…?
すると勢い良く立ち上がったお義父さんが、用意を終えていたトランクを手にした。
「よし。真咲さん、もう準備は出来ているよな?
私が持って行くから、とにかくムリしないように…」
「当たり前でしょうが!まったく、大和に怒られるわよ?」
突然バタバタとし始めたお義父さんを、お義母さんはピシャリと一喝してしまう。
「母さん、そう言うなよ…。なぁ、亜実ちゃん?」
「えー、亜実わかんない」
「…ふふっ」
そのあったかい光景が、今までパニックと不安だけに苛まれていた私を呼び覚ます。
そうだよ…皆がいてくれるのに、今までなんて独りよがりに喚いていたんだろう…?