アヤカ先輩とひとつ屋根の下

「えっ?」

アヤカ先輩の頬がだんだん紅く染まっていくのがわかる。

『早く』

「キャッ!」

俺は左手でアヤカ先輩の右手を取り、グッと引っ張ると、俺とアヤカ先輩の距離は鼻がくっついてしまいそうなくらい近づいた。


『いつもの、してよ』

毎朝恒例のキス。

「でも…その……」

恥ずかしいのかあたふたし始めるアヤカ先輩。

『早く』

「お願い、許して」

左手で顔を覆うが、真っ紅な部分が多すぎて隠し切れていない。
そんな姿もかわいいけれど、俺はどっちかというとSよりなため、ここで許したりしない。


『ダメ、許さない』

「いっくん、起きてるもん」

『いいから』

そう言って俺は、アヤカ先輩の右手を掴んでいた左手を、今度はアヤカ先輩の後頭部に回し、グッと引き寄せた。


7cm

5cm

3cm
2cm
1cm
……

アヤカ先輩のキス顔が見たくて、そっと目を開ける。



顔中を真っ紅に染め、目を閉じるアヤカ先輩。

『ちくしょう!やっぱりいつ見てもかわいいぜっ!』
内なる俺がそう叫んだ瞬間だった……。
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