アヤカ先輩とひとつ屋根の下
あの後俺はすぐに処理することができ、制服を着てリビングのある1階に降りた。
夢オチだったけれど、ネタがアヤカ先輩だったのがデカイ。
もうすぐ触れそうだったアヤカ先輩の少し薄めの唇。
なんかこう、ぷるぷるして、ツヤツヤで、柔らかそうで……セクシーだけど、変な厭らしさを感じさせない唇。
やべ、想像したらまた……。
『って、鎮まれ俺!…いでっ』
「バカやってないで、早くご飯食べちゃいなさい。朝練遅れるわよ」
『…へーい』
シートマスクを剥がした母さんに頭を叩かれ、朝食が並べられたテーブルの席に座った。
『いただきます』
昨日の残り物の煮物も含め、和食中心に作られたおかずを目の前に、どれから手をつけようか迷う。
「郁斗、」
『何?』
とりあえずまだ湯気の立っている出汁巻き卵を箸でつまみ、口に運んだ。
「あんた17歳よね」
『おう!母さんも先月祝ってくれたじゃん』
「そう……」
『それが何だよ?』
変な母さん、そう返すと、今度は焼き鮭に箸をつけた。