百鬼夜行が行く



僕の家に百鬼夜行が現れるようになったのは、じいちゃんが死んでからだった。

それまで鬼たちはずっとこの家に入れなかった。

だけど、そのじいちゃんが死んで、鬼たちは我が物顔で僕の家へ現れた。


僕とじいちゃんは二人暮らしだった。

ばあちゃんは僕が生まれる前に事故で死んじゃったらしい。

だから、僕はばあちゃんの顔を仏壇の遺影でしかしらない。


僕の家族は、じいちゃんと白黒写真のばあちゃんだった。



< 3 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop