【企画・短編】瞬きさえも
目の前で光が弾けているのか
頭の中で弾けているのか
よくわからない。
「玲」
背中を後ろの木に
押し付けられて、
ザラザラとした感覚を感じた。
「玲」
帯と浴衣の間に
玲の手が滑りこんでくる。
「…玲、ダメ」
帯が緩んで少し落ちた。
「ダメよ、一人で
着れないんだか…ら………っ」
一際大きい音がして
幻想的な光が辺りに降りそそぐ。
明るく照らされたはずの視界が
闇に遮られた。