【企画・短編】瞬きさえも


「ふ~~~ん」

口端を上げて
自分を見つめる玲に
眉を寄せて「何よ」と呟いた。

「脱がしてやりたいなぁと
思って」

「!!…ば、
バカなこと言わないで!」

「俺はいつでも本気だけど?」

湿気を含んだ暑い風が
頬を撫でる。
それ以上に体が熱を帯びて
熱くなる。

思わず顔を背けた棗に構わず
玲は手を取ると歩き出した。


自然と残された二人が
後をついてくる。



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