君へ…




「じゃ、じゃあ先に校門の前で待っててください、まだ支度できてないから」




こんなの嘘。


ホントは準備ばっちりだもん。


でも私の心の準備が出来ない…


もしも、ファンの子にすれ違ったら…確実に殺られる…






私は大きく深呼吸してそっと窓から校門を見た。




暗くてよく分からないけど人が立ってるのだけはよく分かる。





そんなに待たせるのもなんだし、行かなきゃな…





私が靴に履きかれて校門に向かう途中誰かの声がした。



「あ、あれ夜空様じゃない?」

「あ、ホントだぁ、一人っぽいね」

「帰るの誘ってみようよ」



ファンの子だ…


ここで行ったら厄介だなぁ




ちょっと様子を見よう。何かあったら帰ろう。





「あ、あの、夜空様一人ですか?宜しければあたしたちと一緒に帰りませんか?」



話しかけるのが分かる場所にしゃがんで聞いてきた。


結構大胆だね、最近の女子は。

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