短編-ワガママな恋。〜始まりのあの日〜


サナエいなくなり、静かになった教室。

あたしは、そんな教室が好き。

全てが無になって、自由を感じて…、生きてるって思える。





新しい彼氏、欲しいなぁ。

なんて思いながら、グランドを眺めていると。
ふと、目に留まった人物がいた。



下に着てるのは、明らかにこの学校の制服。
なのに、上に羽織っているのは眩しいほどに白い白衣。

ポケットに手を突っ込んだまま、花壇の前に立っていた姿は、凄く大人に見えたんだ。



あれ、誰?


こちら側から、顔は見えないけど。
何だか少し気になった。





決めた、会いに行く。





思い立ったら、すぐ行動のあたしは、すぐさま鞄を持ち駆け出した。
< 6 / 77 >

この作品をシェア

pagetop