短編-ワガママな恋。〜始まりのあの日〜
サナエいなくなり、静かになった教室。
あたしは、そんな教室が好き。
全てが無になって、自由を感じて…、生きてるって思える。
新しい彼氏、欲しいなぁ。
なんて思いながら、グランドを眺めていると。
ふと、目に留まった人物がいた。
下に着てるのは、明らかにこの学校の制服。
なのに、上に羽織っているのは眩しいほどに白い白衣。
ポケットに手を突っ込んだまま、花壇の前に立っていた姿は、凄く大人に見えたんだ。
あれ、誰?
こちら側から、顔は見えないけど。
何だか少し気になった。
決めた、会いに行く。
思い立ったら、すぐ行動のあたしは、すぐさま鞄を持ち駆け出した。