隣の席の君は…
強くいたい…
もぅ泣きたくない…
だって私は、
人前で弱音を吐いたことも
泣いたこともなかった。
みんなに弱さを見せるのが、たまらなく嫌だった…
涙は人の同情を呼ぶから…
可哀想じゃないから、そんな目で見ないで…?
弱音は自分の心を弱くするから…
私は同情なんかされるくらいなら、笑って欲しい。
その方が明るくなれるから…
ドンッ
何かにぶつかる。
「痛っ!?」
下を見て考えながら歩いていた私は、前にあった何かにきずかなかった。
「え?
大丈夫!?ごめん!」
それは、
私とは違う学年カラーの上履きを履いた2年生だった。
「大丈夫…です」
恐る恐る答えた。
見たことの無い人だ…?
その人は、まじまじと私の顔を見ると、
「泣いてた?」
そう言って、
「美羽チャン…」
と続けた。
この出会いが私の運命を変えていく…
陵サンとの出会い。