無口な君と恋する理由。
「取り合えず、行って来るよ・・・」



手紙のヒトに悪いし・・・。



「んー・・・」


「ぁっ、先帰ってて良いから!」



じゃ、と言うと私は屋上に向かって駆け出した。


遠くで、恵美ちゃんのほーいという声が聞こえた。








ガチャン―・・・ッ・・。


屋上の扉を開けると、そこには黒髪の優しそうな人が居た。




「あ―・・・・」



・・・この人??




「千里さん・・・、来てくれたんだね」


ニコッと笑うその人に、私も釣られて微笑み返す。






「僕―――・・・・」


その人が口を開きかけた時―――、



―タンッ・・・・!!



軽快な音でスタッと誰かが給水タンクのトコから飛び降りて来た。





この軽快な音、足取り―・・・。





___秋人くん?

< 15 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop