無口な君と恋する理由。
振り返ると、そこに居たのはやっぱり、秋人くん。





「あ、ジャマした。出てくから続けて」


コチラに気付くと、それだけ言って屋上から出て行ってしまった。






大方、屋上で昼寝でもしてたんだろう・・・。


自由気ままに生きてる、そういうヒトだ、彼は。





でも、それでも、哀しい。


私なんか、どうでも良いようで、

視線を逸らされるより、何倍も何千倍も辛い。




ソレからは、手紙の人の話なんか聞いちゃいない。


・・・覚えているのは、その人が隣のクラスらしくて、

“室生太市(こむろたいち)”という名前だということ、

そして私のコトを大分前から気にかけていて告白してくれたらしいということ。







それを適当に聞き流し、告白を断ると屋上を出た。






好きじゃない人からの告白は、受けるのに、

本当に好きな人は私を嫌ってる。



・・・誰よりも、嫌われてる私。






ホシイノハ、タダヒトリノ、キミダケ―――・・・。
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