無口な君と恋する理由。
「じゃあ、千里ちゃん。そろそろ私たち帰るわね?」
菜月さんは、私に作ったバースデーケーキを堪能してのか、満足気に立ち上がる。
「あっ、はい。色々とありがとうございました」
ペコリとお辞儀をすると、菜月さんたちを玄関まで送る。
「ふふっ、良いのよ、好きでやってるんだから。ぁ、あとこれ・・・」
「?」
差し出されたのは、大きな紙袋。
中を見てみると沢山の・・・洋服たち。
「これ・・・っ」
「私たちからの誕生日プレゼント」
ニコッと笑う菜月さんと春人さん。
しかもどれも菜月さんのブランドの服だ。
「っ、ありがとうございます」
「ふふっ、喜んでもらえて良かったわ」
じゃーねっと玄関のドアを開ける菜月さん。
「千里ちゃーん、またねーっ」
ブンブンと、手を振り回す楓ちゃん。
秋人くんは、相変わらず無言だけれど、最高の誕生日。
秋人くんも、あと10日で16歳だね。