無口な君と恋する理由。
「千里の次に可愛いって噂される美女。男遊びしてるって噂もチラホラ」
“知らない?”と寺尾さんというコを指差す恵美ちゃん。
「・・・知らない」
フルフルと首を横に振る私。
別に、そんなに人にキョーミ無いし・・・。
っていうか、今、小野寺くんって言った!?
バッと振り返ると秋人くんが、寺尾さんに連れ出されていた。
「え、ちょ・・・」
ナニアレ・・・。
親しげに、秋人くんの手を握る寺尾さん。
秋人くんは相変わらず無表情だけど。
「・・・ヤバいね、アレ。なんか、キケンなカンジ」
キケン・・・。
恵美ちゃんの言ったことは、
当たる。
確かに、キケンなカンジがする。
私の中にある第六感が、騒ぎ始める。
どうしよう、どうしよう・・・。
頭の中はそれだけだけど、彼女でもない私はどうにも出来ない。