無口な君と恋する理由。
「まぁーそこまで深刻にならなくても大丈夫っしょ?」
私が暗い顔をしていたせいかフォローを入れる。
案外、ただの友達かもしれないよ?と続ける恵美ちゃん。
友達・・・。
本当に、本当にただの友達?
募るのは、ただ不安な思いだけ。
こういう人が、現れたのは、初めてじゃない。
前にも結構、居た。
でも時が経てばみんな居なくなった。
今回も、それだけで済まされれば良いのだけれど。
「そうだと良いな・・・」
恵美ちゃんに、聞こえたか聞こえなかったか分からないような独り言を呟き。
机の上に置かれたペットボトルのレモンティーを一口だけ口に含んだ。
甘い後に残る微かな苦味が、今の私の気持ちと一致しているよう。
後どのくらい、この苦味を続ければ私は甘さに出会えるんだろう。