無口な君と恋する理由。
ある日、
『・・・ゴメンね』
放課後千里は男子に呼び出されていた。
先に帰って良いと言われたのに、千里が心配で待っていた。
それが、全ての始まりだったんだ。
千里は、告白されていた。
よくあることだし、自分もそうだったからとくになんとも思わなかった。
でも、待っている間にチラッと見えた千里の顔。
それが、俺の見たことの無い顔で、怖くなった。
告白は断っていたけれど、感じたことのない恐怖に襲われた。
『あっ、秋人くん待っててくれたのっ?ゴメンね、遅くなって』
ふわり。
そんな音が聞こえそうなカンジに笑う千里。
不意に香る、柔らかくて甘い匂い。