運命以上。 ~野生児女とフェロモン男~
「……うっそー!めっちゃイケメンじゃなーい!!」


男?……のはず。



だけど、なんか違和感が…

・・・なぜなら、その家の住人は、満面の笑みで、俺を上目づかいに見つめてきているからだ。



キツネ目で、色白

華奢な体形で、そんなに背は高くないけど



…なんか、歌舞伎の女形みたいな顔。





「あのー、何かぁ?*」


……こいつ、この変な女の友達か?;





「・・・あ、いや…ちょっとこれを届けに…」



「よっ!ゆうぽん!」


彼女はそう言って、俺の後ろからひょいと顔を見せた。





「なんであんたがイケメンにおぶられてんのよ。」


変人女を見た瞬間、

途端に“ゆうぽん”は不機嫌そうな表情を顔に浮かべ、腕を組んで彼女を睨みだした。



「しかも、あたしがトイレ入ってる間にいなくなってるしー。いったいどこ行ってたわけ?」



「まぁ…それは色々とありまして」

彼女は苦笑いをしながら、俺の背中からするするっと滑り降りる。



地面に立つと、やはりまだ、産まれたての子牛状態だった。


そのままガクガクしながら“ゆうぽん”のもとへと歩いていき、遠慮なく抱きつく。




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