運命以上。 ~野生児女とフェロモン男~
「やだぁー!いきなり抱きついてこないでよぉっ!!なんなの?あんた。うわー、汚らしい!!しかも鼻血でてるじゃないのよーー!!」
“ゆうぽん”はこれ以上にないくらい嫌な顔をしていたが、とりあえず変人女を支えてやっていた。
こうやって並ぶと、2人ともそんなに背が違わない。変人女の方がちょっとだけ低いくらいだ。
「こら!エリ!!あたしの服に鼻血がついたぁーーーー!!!バカーーー!!!」
“ゆうぽん”は大声でそう叫び、容赦なく変人女の頭をはたく。
2人が暴れている・・・
それを傍観する、蚊帳の外の・・・俺。
・・・もう帰っていいかな?;
黙って帰ろうかと一歩後ろに後ずさりしたとき、
変人女が俺に気づいたらしく、くるっとこっちに体の向きを変えた。
「あら、お見苦しいところをごめんなさい。あの・・・助けてくれてどうもありがとう。あの変態さんにもよろしくね。」
そう言って、頭を下げてきた。
・・・・・・なんか、急に上品な言葉使いになったけど;
いまさら遅い;
「・・・はーい;伝えとくよ。」
「よかった。では、どうも。」
変な女はうやうやしく一礼し、玄関の扉をしめた・・・
はぁ・・・
閉まった扉をみて、思わずため息が出る。