君がいた
夢は「はいはい」と言いながらも帰る気はないらしい
「夢?
ここに居座るんだったらそれを計算して
じゃなきゃ帰って」
あたしは、そう言って夢が寝転んでいるソファーの前の机の上の紙を指した。
夢は、意外にも素直にやり始めた。
生徒会室には、パソコンを叩く音と、電卓を叩く音しか聞こえない。
それから1時してチャイムが鳴った。
それと同時に二人の手も止まった。
夢は、背伸びをしてあたしは、立ち上がった。
「夢は、ココアでいいでしょ?」
あたしは、そう言って自分用のコーヒーと夢のココアを煎れた。
「うん。ありがとう」
夢は、そう言ってまたソファーに寝転んだ。