君がいた
「お前」
あたしの右の方から声が聞こえた。
あたしは、そっちの方を見ると
「あっ
鼎君達じゃん
こんなとこで何してるの?」
あたしは、鼎達―――黒龍に話しかけた。
「姫華ちゃん!
何で魔の数研から出てきたの?
大丈夫?何もされてない?」
藍は、目をクリクリして近づいてきた。
まるでそれは
「…犬みたい」
あたしは、思わず心の声を出してしまった。
「えっ?
犬って僕のこと?」
「気にしないで
それで何で魔の数研なの?」
あたしは、首を傾げて聞いた。
「入ったら災難ばかり起こるんだよ」
藍は、納得のいかないような顔をして教えてくれた。