愛しのエリー【ホラー短編】
というか、可愛い女の子が似合うことはすべて、似合わない気がする。
紗希は自分で思って、悲しくなった。
髪は短くボブ。
私服はパンツとTシャツが基本で、ワンピースやスカートは似合わない。
性格だってガサツで女の子らしくなくて、男からは同性の友達のように扱われる
。
女として見られてないんだ。
こんなあたしがオバケ嫌いなんて、皆、思いもしないだろう。
香奈枝とは高校に入ってから1年半の付き合いだけど、
彼女ですら紗希の怖がりのことは知らなかった。
だから、香奈枝は声のトーンを落として、話を続けた。
「夜中にね、この学校に出るらしいの。髪の長い女の子の幽霊が」