愛しのエリー【ホラー短編】
紗希はゴクッとツバを飲んだ。
「で、その幽霊、なんでも人形を探して歩き回ってるとかでね…」
「…に、人形?」
学校で?
怖い話なんて聞きたくないのに、紗希は疑問が口をついて出てしまった。
「その子、生前はちょっと変わってたみたいで、
学校でもずっと人形を持ち歩いてたらしいのよ」
「人形を、持ち歩いて…」
それって…どんな人形?
疑問には思っても、これ以上掘り下げて聞くことは、怖くてできない。
紗希の顔はピクピクとひきつっていた。
「でも、彼女が校内の階段で足を滑らせて死んでしまった時」
「か、階段!?」