愛しのエリー【ホラー短編】
その話を聞いた紗希は耐えきれなくなって、香奈枝に聞いた。
「それって、昼間も出るの?」
もしそうだったら、とてもじゃないけど怖くて、授業どころじゃないよ!
心配になった紗希の前で、香奈枝は首を横に振った。
「ううん、夜だけだって。
部活で遅くなった生徒や警備員さんくらいしか遭遇しないから、
ホントの話か怪しいんだよね」
「そ、そうなんだ…。よかった…」
紗希はようやく肩の力を抜き、視線が自由になった。
今もこの校舎のどこかに幽霊がいるのかもしれないけど、
姿を現さないなら、いないも同じだ。
「でね」