愛しのエリー【ホラー短編】
自信ありげな顔が紗希の不安をあおる。
「もちろん、その辺はぬかりないわよ」
エッヘンと自慢ぶって香奈枝が言う。
紗希は苦笑いしかできなかった。
対する香奈枝は満面の笑み。
「美術室の窓の鍵がね、壊れてて閉まらないらしいのよ。
門はよじ登るかして敷地内に入れたら、問題なく校舎に進入できちゃうってわけ」
香奈枝の言葉に、紗希は心の中で叫んだ。
できちゃうって、そんな可愛く言ったって、
言ってることは可愛くないわよ~!
いったい、誰!?
香奈枝に余計な情報もらしたのは…!!