愛しのエリー【ホラー短編】
それも知りたいけど、紗希は香奈枝を止めることを選んだ。
「だ、だけど、夜の学校に女だけでなんて、危ないし…」
「うーん、たしかにそうよねぇ」
香奈枝はアゴに手をやりながら、考えこんだ。
これはうまくいったかも!
紗希が喜ぶとほぼ同時に、香奈枝も顔を明るくした。
「あっ、そうだ。悠二(ゆうじ)!」
香奈枝は教室の隅にいる男を呼んだ。
香奈枝の彼氏である鳥本 悠二(とりもと ゆうじ)だ。
紗希や香奈枝と同じクラスで、香奈枝と一緒に登校している。
友達としゃべっていた悠二が、香奈枝の方を向いた。
「あ? なんだ?」