愛しのエリー【ホラー短編】
「いいから、ちょっとこっち来てよ!」
香奈枝の言葉で、悠二がポケットに手をつっこみながら、
香奈枝の元にやってきた。
その後ろに、彼と一緒にしゃべっていた霧沢 航平(きりさわ こうへい)もつ
いてきて、
紗希はドキッとした。
短い髪を立たせ、制服を着崩した悠二もカッコイイ部類には入ると思うけど、
紗希にとって意味あるのは、航平だ。
「千堂さん、小川さん、おはよう」
「おはよう~」
爽やかな笑顔で挨拶してきた航平に、香奈枝はすぐに返す。
紗希は先に名前を呼ばれたにも関わらず、
香奈枝より一息遅れて、「お、おはよう…」とどもりながら返事をした。
ダ、ダメ…。