愛しのエリー【ホラー短編】

「いいから、ちょっとこっち来てよ!」



香奈枝の言葉で、悠二がポケットに手をつっこみながら、

香奈枝の元にやってきた。



その後ろに、彼と一緒にしゃべっていた霧沢 航平(きりさわ こうへい)もつ
いてきて、

紗希はドキッとした。




短い髪を立たせ、制服を着崩した悠二もカッコイイ部類には入ると思うけど、

紗希にとって意味あるのは、航平だ。




「千堂さん、小川さん、おはよう」


「おはよう~」


爽やかな笑顔で挨拶してきた航平に、香奈枝はすぐに返す。




紗希は先に名前を呼ばれたにも関わらず、

香奈枝より一息遅れて、「お、おはよう…」とどもりながら返事をした。




ダ、ダメ…。

< 19 / 96 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop