愛しのエリー【ホラー短編】
水木先生は今年、この学校に赴任してきたばかりの先生だ。
5年くらい前に制服がセーラーからブレザーになったのだけど、
セーラー服時代の卒業生で、着任から三か月経った今、すっかり学校になじんで
いた。
胸元まで伸びたまっすぐな黒髪、ナチュラルにメイクした顔。
細くすらりとした体。
白いブラウスにグレーのスカート、白のパンプスを履いている。
綺麗な先生だけど、32歳の現在も独身で、
意外と怖い先生でもある。
あれだけ怖かったら、そりゃ男も逃げるわよ、
なんて陰口を女子から叩かれていることを紗希は知っていた。
その先生が、ひきつった笑みを浮かべている。
「話は聞いたわよ。夜の学校に忍びこむんだって!?」