愛しのエリー【ホラー短編】
「反省文100枚なんて嫌だしさ、諦めようぜ」
航平が悠二と香奈枝に向かって言う。
二人も珍しく、すぐに引き下がった。
「そうよね。やっぱり夜の学校なんて怖いし、やめておこっか」
「そうだな」
それを聞いて、紗希はホッとしたような残念なような、複雑な気持ちになった。
夜の学校は嫌だけど、私服の航平に会えるチャンスはそうそうない。
学校でとはいえ、夜の肝試しにまさか、制服はないだろう。
しかし、
「あたしもやめておいた方がいいと思う」
やっぱり怖さの方が勝って、紗希は航平よりも安全を取った。