愛しのエリー【ホラー短編】
サン
「う~、怖いよ」
夜8時、紗希は学校の校門前にいた。
あの後、香奈枝からメールが来て、
『先生にはああ言ったけど、もちろんやるからね! 夜8時に校門前集合☆』
ということになったんだ。
しかも、よりによって、恐がりの紗希が一番のり。
時間に正確なところがわざわいした。
あたし、みんなに騙されてないよね?
誰も来ないとか言わないよね?
一人で待っていると、不安ばかりが胸に巣くう。
紗希は、傘を握る手を強めた。
もう梅雨は明けたというのに、
午後から雨が降り続け、いつもより冷え込んでいた。