愛しのエリー【ホラー短編】
航平は急に話を振られて驚いき、
航平に聞こえる大きな声で香奈枝が言ったことに、紗希はびっくりした。
どうして、このタイミングで航平くんを名指しするのっ!?
「ほら、あたしには悠二がいるからね」
香奈枝は、紗希がしがみついてるのとは逆の腕を、悠二の腕にからめた。
「悠二は貸してあげれないけど、ここには航平くんって男がいるんだから、
紗希は航平くんを頼りにしなさいよ」
香奈枝は言いながら、紗希に小さくウィンクをした。
「う、うん…」
その流れに任せて、紗希は香奈枝の腕を離そうとした。
その時、香奈枝が紗希の手を掴んで、小さな声で耳打ちした。
「途中であたしと悠二がはぐれてあげるから、二人きりで頑張りなさいよ。
好きなんでしょ?」