愛しのエリー【ホラー短編】
「香奈枝…」
紗希は嬉しさで胸がじーんとなった。
女らしくないあたしが好きな人の話なんて照れくさくて、
香奈枝にもしてなかったのに、バレてたんだ。
しかも、くっつけようとしてくれてる。
いくら航平くんと一緒でも、怖いものは怖いけど、チャンスだもんね。
がんばらなきゃ…!
「…ありがとう」
紗希は香奈枝にこっそりとお礼を言った。
「てことで、航平くん! 紗希をよろしくね」
香奈枝は紗希の背中を押して、航平に差し出すようにした。
「ああ」
航平は香奈枝に返事をすると、紗希に向かってニヤリと笑った。