愛しのエリー【ホラー短編】
航平くんと手を繋げられる。
紗希はドキドキしながら、航平の手に自分の手を重ねた。
紗希の手よりも骨ばった大きな手。
その温もりに、紗希の心臓はどうにかなりそうだ。
歩き出すと、航平から爽やかな香りが微かにした。
航平くん、香水つけるんだ。
キツい香りが苦手で、香水をつける男もそれほど好きじゃない。
でも、この香りは平気だった。
キツくないからか、それとも、航平くんの香りだからか。
我ながら現金な話だ。