愛しのエリー【ホラー短編】

噂では聞いていた、エリーを探す女の声。



それには、生身の人間ではないと信じさせられる何かがあった。


高い音と低い音。


二つの音が混ざりあったような、不可思議な声。




今、後ろに『愛しのエリー』がいる。



男は口をパクパクさせた。


恐怖で叫ぶこともできない。



ライトを持つ手がブルブルと震えている。


逃げ出したい。



だが、走りだすこともできなかった。







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